metametals's blog

研究者の日々のライフハックとか気づいたこととか

MojaveにアップデートしたらTeXでPDFが作れなくなった件を解決したメモ

全然更新していませんね.気がついたらもう寒くなってきました.

 

さて,科研費の時期ですが,なにを血迷ったのか現実逃避でMacのOSをMojaveにしました.結果としては,ATOK2017が古いままだと悪さをしたんですが,それを最新版にしたら全て解決して非常に快適です.

 

ところが,ワタクシ,科研費はいつも科研費LaTeXにお世話になっているんですが,肝心のTeXがちょっとおかしい挙動を示すようになったんですよね.あるMacではPDFまで作成できるんですが,別のMacではコンパイルもなんかうまくいかない感じ.ただ,日本語を全く削除して英語のみだと問題ない,という感じです.

 

2つ出す予定の科研費の1つはほぼ95%はうまくいく方のMacで書き切っていたんですが,オフィスにあるメインのMac Proではうまくいかなかったので,作業性がめちゃ落ちるなぁ,と思っていたんですが,色々と調べてなんとか解決できたので,以下に簡単なメモ.

 

結論から言えば,High SierraからMajaveにしたMacは問題が無くて,Sierra以前からMojaveにしたMacでは問題が起きました.その原因は以下のサイトにあります.

 

typememo.com

Sierra では W3 と W6 に分かれていたヒラギノ明朝体が、High Sierra では合体版(ヒラギノ明朝 ProN.ttc)に変更されたため、dvipdfmx 等からは使えなくなっています。

なるほど.

 

より具体的な解決方法はさらに以下のリンクから.

High Sierra 用 TeX Live 2017 追加ファイル – マスクメロン

公式には対策がなされていないとはいえ、フォントへのシンボリックリンクと dvipdfmx 等用の Map ファイルを手動で作成すれば、問題なくヒラギノ明朝体を使うことができるようですので、必要なファイルをアップしておきます。

なお、下記は TeX Live 2017 向けの記述になっていますが、TeX Live 2018 にも対応しています

具体的な作業は以下からです.先達に感謝ですね.

 

下記の 3 つのステップを実行するだけで、ヒラギノを dvipdfmx から利用できるようになります。

※ なお、dvips の場合は、こちらに書いた対策で、ほぼ実害なくヒラギノを使うことが出来ますので、以下の作業は必須ではありません。

1 ファイルの入手と設置

上のファイルには、ヒラギノフォントへのシンボリックリンクと、実フォントと仮想フォントとの対応関係を記した Map ファイルが入っています。これをダウンロードし、その中身をフォルダ構成を保ったまま、「適切なフォルダ」(通常は /usr/local/texlive/)に設置してください。

2 TeX への登録

上の作業で設置したファイルを TeX が見つけられるように、ターミナルを起動して、以下のコマンドを実行します。「適切なフォルダ」(上記では /usr/local/texlive/)の書き込みに管理者権限が必要か否かによって、コマンドが異なります。

  • 管理者権限が必要な場合
    sudo mktexlsr
    
  • 管理者権限が不要な場合
    mktexlsr
    

3 Map ファイルの生成

最初に設置した Map ファイルから、dvipdfmx、dvips など、各 DVIware 用の Map ファイルを生成します。

updmap-user -setoption jaEmbed hiragino-highsierra-pron

上記のコマンドを実行すると、(通常は)~/Library/texlive/2017/ 内に、kanjix.map 等の Map ファイルが生成されます。システム全体で共有したい場合は、updmap-user ではなく updmap-sys を使います(sudo が必要か否かは mktexlsr の場合と同様です)。

 

 

ということで,問題解決しました.ついでに,TeXを更新しておきました.ターミナルから

sudo tlmgr update --self --all

 

で一発です.

ちなみに/user/local/texliveってFinderから探しにくいですよね.僕はいつもターミナルから

open /user/local/texlive

 

ってやってます.

 

では快適なTeXライフを.

 

ちなみに僕はTexPadを使っていますが,これは本当に快適です.